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本ページ概要
産前産後休業(法律で認められた産前6週間・産後8週間の休暇)の期間、給付「出産手当金」が出ます。 出産手当金はいつ、どこから、いくらくらい支給されるのか、またその申請方法はどのようにするのかをまとめています。

出産手当金はどこからでるの?

出産手当金はご自身が被保険者として加入している健康保険(または協会けんぽ)から支給されます。

ご自身で持っている健康保険証に「保険者」と記載がある健康保険組合、ここから支給されます。

どんな人が出産手当金の支給を受けられるの?退職したらもらえない?

出産手当金の支給要件は、次の3つの要件すべてを満たすことです。

① 健康保険の「被保険者」の出産であること
② 妊娠4カ月以上の出産であること
※なお、健康保険では、妊娠4ヵ月以後の出産は、死産でも「出産」に該当するため、出産手当金の対象になり、死産前6週間と、後8週間が支給期間となります。
③ 出産のため仕事を休み、給与の支払いがないか支払額が出産手当金より少ないこと

どういう場合に出産手当金がもらえないのか、パターンをいくつか紹介します。

出産手当金がもらえないケース1:旦那さんの扶養になっている場合

3つの要件の①に挙げたとおり、出産手当金の支給要件はご自身が健康保険の「被保険者」であることです。旦那さんの扶養に入っている場合は出産手当金が支給されません。

どういうケースの場合扶養に入るかというと週2勤務など勤務日数(時間)が少ない場合です。

詳しくは下記の記事にも書いていますので、よかったらご覧ください。
時短や週の勤務日数が少ないと「産休中の出産手当金」「育休中の育児休業給付金」がもらえないことがある

出産手当金がもらえないケース2:国民健康保険加入である場合

自営業者等を対象として作られた国民健康保険の加入者は、出産手当金は支給されません。(「出産育児一時金」という分娩費用に充てる給付はもらえます)

出産手当金がもらえないケース3:退職した場合

退職した場合、被保険者資格を喪失する(被保険者ではなくなる)ので、原則として出産手当金は支給されません。

但し、レアケースではあるのですが次の要件を両方満たす場合は支給されます。

  • 退職日まで健康保険に加入していた期間が1年以上継続していること
    ※健康保険に加入していれば、1年の間に転職して健康保険組合が変わってもOK
    ※1年の間、年次有給休暇を取得していたり、欠勤したり休職していてもOK
  • 退職日に出産手当金の支給を受け取っているか、受け取れる資格があること(要は、産前6週間の期間に入ってからの退職であること)
    ※ちなみに、退職日当日に出勤したときは、継続給付を受ける条件を満たさなくなるので支給されません。

出産手当金はだいたい普段の給料の2/3の額が産前6週間+産後8週間(計14週間)の間支給されるという結構大きいものなので、もし退職を考えられている方で、「でも出産手当金をもらいたい」という場合は勤務先の会社に上記2点を踏まえて調整できないか相談してみましょう。

出産手当金がもらえないケース4:会社から給料が支給される場合

出産手当金は、会社から給料が支給される場合は支給されません。

但し給料が出産手当金の額より少ない場合は、その差額が出産手当金として支給されます。
(産休中(お休み中)に給料を支払う会社はかなりレアなので、あまりないケースかと思われます)

出産手当金の額の計算方法は?給付を最大にするには?

出産手当金は、1日あたり、「産休開始月以前の継続12ヵ月」の各月の「標準報酬月額」の平均×1/30×2/3が支給されます。

1日あたりの出産手当金=「産休開始月以前の継続12ヵ月」の各月の「標準報酬月額」の平均×1/30×2/3

ざっくり「働いていたときにもらっていた給料の2/3」と捉えていいのですが、もう少し詳しく見ていきましょう。

<「以前12か月」とは、いつからいつまでのこと?>
出産手当金の支給開始月以前の直近の継続した12ヵ月のことです。例えば、3月20日から産休に入る場合、前年4月~3月当月までということですね。

<標準報酬月額とは>
標準報酬月額とは、被保険者の月給(報酬月額)を、次の等級区分にあてはめることによって決定する金額のことです。
例えば、次のような感じです。

こちらは毎年変わるので、正確な表はこちらをご覧下さい。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150

この「標準報酬月額」は毎年4~6月の3ヵ月間に支給された報酬の合計額の平均を上記区分に当てはめて決定し、その年の9月~翌年8月までの1年間使うのですが、転職したときや、大幅な賃金の変動があった場合にはその都度変更します。

だいたいの手当額は、「直近12ヵ月の月額報酬の平均×2/3」で計算すると出るのでそれでもいいのですが、正確に計算したい!という方は下記記事をご覧ください。
出産手当金の正確な金額は過去12ヵ月の社会保険料から計算できる

<標準報酬月額を決める「報酬月額」には、何が含まれるのか>
標準報酬月額を決める報酬月額(月給)には、基本給、職能給、通勤手当、住宅手当、残業代などは原則すべて含まれます。

※賞与は年4回以上払われないと含まれないため、サラリーマンに一般的な年2回支給の賞与は除外されます。
※また、月額の手取りではなく社会保険料・税金等控除前の総支給額で計算されます。(嬉しいですね!)

つまり、出産手当金を最大限支給されるには、いかに過去12ヵ月の標準報酬月額を上げておくか、がKeyとなるのです。なお、標準報酬月額は4~6月の報酬を基礎に毎年定時改定されます。

これから妊娠を考えている場合、4~6月にガッツリ残業して稼いで標準報酬月額を上げておく、というのも手かもしれません。(でもその分社会保険料は高くなってしまいますけどね…)

出産手当金はいつからいつまでの期間について支給されるの?支給時期は?

いつからいつまでの期間について支給されるのか

出産手当金は産前6週間、産後8週間の間(つまり産休の期間)、支給されます。

ちなみに出産が予定日より遅れた場合でも、予定日以前6週間分の手当が支給され、これに加え予定日~出産日までの期間も手当が支給されるので、遅れたからといって損をする(不支給期間ができる)ということはありません。

なお、産休期間中に土日など会社のお休みがあっても出産手当金は支給されます。

支給時期はいつなのか

出産手当金は健康保険組合ごとに支給時期が若干変わり、最短で産後3か月、遅くても5か月ごろには振り込まれることが多いようです。(産後8週間以降に申請を行い、そこから1~2ヵ月後に指定口座に振り込まれる流れです)

具体的な支給時期は自身の健康保険証に記載のある、健康保険組合に問い合わせてみてください。振り込まれない場合はまずは勤務先の人事に確認してみましょう

どうやって申請するの?申請期限はいつ?

会社が加入している健康保険組合(もしくは協会けんぽ)へ「出産手当金支給申請書」を提出して手続きします。(出産手当金の書類は、医療機関で出産の証明をもらう必要があるため、基本的には出産日以降に提出が可能です。)

出産手当金支給申請書には、事業主(会社)の証明のほか、医師または助産師の証明が必要です。

出産手当金の申請期限は、産休開始日から2年となります。2年あれば大丈夫とは思いますが、申請しわすれないよう、気を付けましょう!

<流れ>
☑産休前 会社から申請書類をもらう
※会社によって自分で申請するよう指示される場合もある
☑出産後 病院に証明を記入してもらい、会社に提出
☑産後8週間以降 会社が申請書類を完成し、申請
☑申請から1~2ヵ月後 産前産後計14週間分の出産手当金が振り込まれる

出産手当金の問い合わせ窓口

出産手当金について、質問がある場合は勤務先企業の人事か、ご自身の健康保険組合・協会けんぽに確認してみましょう!

よかったらこちらの記事もどうぞ(^^)

私傷病休職のまま妊娠した場合、産休中の出産手当金・育休中の育児休業給付金は出るのか

<今回の記事を書くにあたり問い合わせた機関>
協会けんぽ東京支部

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