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本ページ概要
産休中(産前6週間+産後8週間)に健康保険から支給される出産手当金の正確な金額は、過去12ヵ月の社会保険料(厚生年金保険料)から計算できます。 このページでは、出産手当金の計算に使われる「標準報酬月額」とは何か?ということから、その正確な額を知る方法まで解説しています。

産休中にもらえる「出産手当金」とは

妊婦さんが産休に入ると、健康保険から「出産手当金」が産前6週間+産後8週間支給されます。

その金額は、1日あたり、「産休開始月以前の継続12ヵ月」の各月の「標準報酬月額」の平均×1/30×2/3です。

出産手当金=「産休開始月以前の継続12ヵ月の各月の標準報酬月額の平均」×1/30×2/3

例えば、3月15日から産休に入った場合、「前年の4月~今年の3月分」の各月の「標準報酬月額」が計算に使う金額となります。

この標準報酬月額とは何なのでしょうか?

標準報酬月額とは?

健康保険・厚生年金保険では、被保険者が会社から受ける毎月の給料などの報酬の月額を区切りのよい幅で区分した「標準報酬月額」を設定し、保険料の額や保険給付の額を計算します。
標準報酬月額とは、支払われた給与を、決められた等級区分にあてはめて決定する金額、となります。

下記の「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」のように1~50等級まで給料が区分され、その等級に応じた保険料・保険給付が設定されているのです。(該当年度・該当都道府県をご覧ください)

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150

標準報酬月額はいつ改定されるのか?

この標準報酬月額、毎月等級が決まるわけではありません。

下記3つのタイミングで標準報酬月額が改訂されます。

  1. 資格取得時決定:健康保険の被保険者資格を新たに取得したとき(転職した場合など)
  2. 定時決定:年に1回(毎年4~6月の平均給与で再計算し、同年9月からその額を反映)
  3. 随時改定:月給が著しく(等級区分2等級以上)上がり/もしくは下がり、かつ基本給等の固定的賃金が変更した場合

※正確にはより細かいルールが設定されているのですが、ここでは割愛します。


これらの細かいルールを全て理解・計算して具体的な過去12ヵ月の標準報酬月額を算出するのは骨が折れますよね。

でも、出産手当金の額を「単純な過去12ヵ月の給料の平均額」×1/30×2/3で概算するのも、蓋を開けてみたら全然金額が違ったということがあり得るのでキケンなのです。

どういうことか見てみましょう。

出産手当金を「単純な過去12ヵ月の月給平均」で概算すると、思っていたのと全然違う額になることがある

次のように、基本給20万円(4月~翌年3月まで基本給変動なし)の人が、4~6月の閑散期を経て7月以降繁忙期ですごく残業したとします。

標準報酬月額は4~6月の3か月をベースに定時決定(年に1度の改定)をされますので、安い4~6月のお給料をベースに計算されています。

7月からものすごく残業したとしても、固定給(ここでは基本給)は変動していないので随時改定にはならず、標準報酬月額は変わらないままです。

そうすると、上表のように「過去12ヵ月の単純な月額給与の平均値」と「標準報酬月額」では、赤枠セルのとおり結構な差が発生してしまい、「だいたい、月あたり33万8千円×2/3もらえるんだな」と思っていたら実際は23万2千円×2/3だった、ということが起こり得ます。(極端な例ですが)

これからもわかるとおり、出産手当金を単純な月額報酬の平均値で概算すると、実際もらったら全然違っていた、ということもあり得るのです。

ネット上にある出産手当金の計算は、だいたいは直近の月収を入力したら計算されるようになっていますが、あくまで概算でしかなく、実際の出産手当金の額と差が発生する可能性があることを十分に理解しておきましょう。

正確な標準報酬月額、出産手当金の算出方法は「厚生年金保険料」を見る!

では、本当に正確な出産手当金の額、つまり「産休開始月以前の継続12ヵ月」の各月の「標準報酬月額」を知るにはどうしたらいいのでしょうか?

それは、産休開始月以前の12ヵ月の厚生年金保険料をみて、それを上に記載した「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」と照らし合わせてその月の標準報酬月額をみることです。

自身の過去12ヵ月の給与明細の「控除欄」から厚生年金保険料を確認し、次のようにその保険料から自身の標準報酬月額を確認してみましょう。

これにより出した各月の標準報酬月額の平均の1/30×2/3が、正確な出産手当金の1日あたりの支給額となります。

産休中の「出産手当金」に関するまとめページはこちら

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