この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。
目次
分娩にかかる費用と差額負担
国民健康保険中央会 「正常分娩分の平均的な出産費用について(平成28年度)」によれば、分娩費用の平均は次のようになっています。
平均値 50万6千円
中央値 49万3千円
出産育児一時金の給付が42万円(産科医療補償制度に加入していない機関での出産は41.6万円)(詳しくはこちら)のため、実質的な自己負担額は
平均値 8万6千円
中央値 7万3千円
となります。
機関(病院、診療所、助産所)ごとの分娩費用平均額
各機関の分娩費用平均
実は、分娩機関によって費用感が異なってきます。同じく国民健康保険中央会 「正常分娩分の平均的な出産費用について(平成28年度)」によれば、各機関での分娩費用の平均は次のようになっています。

分娩機関によって3~5万円の差がありますね。
分娩機関の違いとメリット・デメリット
それぞれの分娩機関は何が違うのでしょうか。
病院
高度医療、専門医療、救急医療を中心とする入院医療を行う機能がある
設備等が行き届いておりあらゆるトラブルに対応できるためハイリスク出産の場合に安心して任せられる。
診療所
外来医療を中心とする初期医療を行う機能がメイン。
健診等いつも同じ先生に対応してもらうケースが多く安心でき、出産方法も通常分娩の他フリースタイルを取り入れている等サービスに力を入れているところもある。
出産時に合併症が見つかった場合は総合病院等に転院となる可能性がある。
助産所
助産師が助産(分娩の手助け)又は妊婦や新生児の保健指導などを行う。医療行為を目的としないため医師は常駐せず帝王切開等の医療行為ができない。医療行為が必要となった場合は助産所が嘱託する医師・医療機関に連携し行われる。
家庭的で親身に対応してくれるとことが多い。自然出産を希望する人・経過が安定している低リスク出産の場合にお勧め。
まとめ
「できるだけ医療制度が整っているところで安心して出産したい」(→病院がお勧め)「独自で取り入れたい分娩方法がある/食事が豪華なところで出産したい」(→診療所がお勧め)「促進剤を使わずできるだけ自然なお産がしたい」(→助産所がお勧め)等、妊婦さん自身の志向・希望にもよりますが、一般的には妊娠経過が安定しており持病や妊婦さんの年齢等総合的に「低リスク」な出産と思われる場合は助産所等を選択して問題ありませんが、ハイリスク出産の場合病院を選択するのが安心と言えるでしょう。
上記の費用感とともに検討ください。
分娩方法によって約10~20万円の差が出る
分娩方法と費用感は大まかに次のとおりとなります。
通常分娩
自然分娩とも言い、一番一般的な分娩方法です。
上記でご紹介のとおり全国平均で約50万円程度の費用がかかります。
帝王切開
逆子の場合や陣痛促進剤を使っても分娩できない場合等、帝王切開を行うことがあります。具体的な費用感は病院によりますが、だいたい通常分娩+10万円程度かかることが一般的です。なお、帝王切開は健康保険の高額療養費(一定額の金額を超える医療費に対して上限を設ける制度)が適用されるのと、医療費控除により税金の還付金が受け取れますので必ず手続きを行いましょう。
無痛分娩(和通分娩)
無痛分娩は麻酔を打つことで分娩時の痛みを和らげる方法です。麻酔を打つ医者が必要であるため、分娩の日取りをあらかじめ決める計画分娩となります。
費用は通常分娩+10~20万円となります。
東京が一番高い分娩費用の地域差
分娩費用は地域によっても差があります。国民健康保険中央会 「正常分娩分の平均的な出産費用について(平成28年度)」によれば、地域ごとの分娩費用は次のとおりです。

一番費用が高い東京と、一番費用が低い鳥取県では20万円近く分娩費用に差がありますね。
里帰り出産等考えている場合は、どちらで出産するかの参考にしてみてもいいかもしれませんね。